※個人の感想はポイントサイトから淘汰されそうです

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ここ数ヶ月、Tポイント関連のページでCMがほとんど配信されなくなりました。そして、数日ほど前に知った事実から、配信が激減した理由は、打ち消し表示を消費者庁が問題視しているからではないかと推測するようになりました。

まず、ポイントサイトで配信されるCMの多くは健康や美容・ダイエットに関する食品や製品です。 そして、打ち消し表示とは、CMの画面の隅に小さく「※個人の感想です」とか「※効果・効能には個人差があります」と書かれたものが代表的です。ダイエットや健康食品のCMなら、モニターとおぼしき人が「1ヶ月で10kg痩せました」とか「これを使い始めてからすこぶる健康です」などと発言する映像が流れているなかで、打ち消し表示もあわせて出ています。

この打ち消し表示を消費者庁が問題視しています。今年7月14日に、消費者庁のページの「その他の景品表示法関連の公表資料」の項目に「打消し表示に関する実態調査報告書」がPDF形式でアップロードされました。
打消し表示に関する実態調査報告書(概要)のPDFファイルのp.14には次の記述があります。

体験談を用いる際は、体験談等を含めた表示全体から「大体の人に効果が ある」と一般消費者が認識を抱くことに留意する必要がある。

また、試験・調査等によって客観的に実証された内容が体験談等を含めた表示全体から一般消費者が抱く認識と適切に対応している必要があるところ、上記のような認識を踏まえると、実際には、商品の使用に当たり併用が必要な事項(例:食事療法、運動療法)がある場合や、特定の条件(例:BMIの数値が25以上)の者しか効果が得られない場合、体験談を用いることにより、そのような併用が必要な事項や特定の条件を伴わずに効果が得られると一般消費者が認識を抱くと考えられるので、一般消費者の誤認を招かないようにするためには、その旨が明瞭に表示される必要がある。

体験談により一般消費者の誤認を招かないようにするためには、当該商品・サービスの効果、性能等に適切に対応したものを用いることが必要であり、商品の効果、性能等 に関して事業者が行った調査における(i)被験者の数及びその属性、(ii)そのうち体験談と同じような効果、性能等が得られた者が占める割合、(iii)体験談と同じような効果、性能等が得られなかった者が占める割合等を明瞭に表示すべきである。

上記の文章に少し説明を加えます。例えば、メタボで医師から食事療法や運動療法をもともと指示されていた人が、さらにCMで宣伝した商品を使った場合は、やせたとしてもどちらの効果なのか、両方の効果だとしてもどのぶんが商品の効果なのか不明です。それをあたかも商品だけの効果として宣伝することは消費者の誤認を招きます。

体験談については「体が軽くなりました」のような感覚的な文言だけではなく、具体的な数値を示すべきだと個人的に思いますが、具体的な数値があれば安心とは限りません。例えば、「この商品を1ヶ月飲み続けた人の90%が10kgやせました」という文言は具体的な数値こそありますが、母集団の情報(どのような体格の人が何人モニターになったのか)が書かれていません。

「10kgやせた90%の人は全員超メタボで、残り10%の人は全員超スリム」なら、もともとやせている人が10kgもさらにやせる必要は基本的にないですし、ダイエットの効果をうたう商品としてはある程度信頼できるかもしれません。
しかし、「10kgやせた90%の人は全員超スリムで、残り10%の人は全員超メタボ」ならば、ダイエットの効果をうたう商品としては非常に信頼性が低くなります。母集団の情報を明確にすることは、商品の効果の信頼性を伝えるうえで非常に重要です。

ここまでのことを考えると、消費者庁の要望を満たすCMはポイントサイトにおいてほとんど見かけません。仮に、消費者庁が打ち消し表示の不備の罰則を厳しくすれば、従来のようなCMを配信することは自身の企業に罰則が適用される可能性を高くします。それを避けるため、ポイントサイトのCMの配信が激減したのではないでしょうか。

蛇足ですが、ポイントサイトのCMはポイントを得る手段としてしか私は考えていませんので、打ち消し表示どころかCMそのものもまともに見ていません。