コンピュータの歴史

1642年,パスカルによってコンピュータが誕生したとされています.そして,1823年から機械式計算機の開発をバベッジが行いますが,実用化には至りませんでした.なお,1960年代の終わり頃まで,日本ではタイガー計算機が使われていました.また,1944年にハーバード大学で作られたリレー式計算機をMarkIと言います.

第2次世界大戦時,大砲の弾道計算を高速に行うため,コンピュータの開発が進められました.その後,真空管を用いて電子的に計算を行う本格的なコンピュータ,ENIACが1946年に開発されました.

しかし,ENIACでは計算をするたびに電気的な配線を組み替えなければならず,面倒でした.そこで,プログラムをメモリ(後述します)に格納してから実行するコンピュータ(プログラム格納式コンピュータ)が誕生しました.1949年には,プログラム格納式コンピュータとして初の,実用的なコンピュータ,ESDACが誕生しました.

コンピュータはそもそも軍事目的で使われていましたが,やがて学術機関でも利用され,一般に広まりました.

1960年代になると,真空管の代わりにトランジスタIC(集積回路)がコンピュータに使用されるようになり,大型コンピュータを操作・管理するための本格的なOS(後述します)が登場しました.1970年代は,半導体技術が進歩してCOSが小型化され,CPU(後述します)の機能を,1つのシリコンチップ上に組み込んで構成したマイクロプロセッサが登場しました.1971年に,世界最初のマイクロプロセッサ,インテル4004が作られました.やがて,CPUの大量生産,低価格化が進み,パソコン(パーソナルコンピュータ)が登場し,大型コンピュータにとってかわり主流になりました.1978年には初の日本語ワードプロセッサが発売され,この傾向にいっそう拍車がかかりました.

なお,インテル社は1965年から,「(集積回路は)1年から2年で2倍の集積度の向上を続ける」というムーアの法則を提唱していました.

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「コンピュータ」に対応する日本語は「計算機」ですが,「計算器」という言い方もあります.前者はマシン,後者は道具の意味合いで使われます.例えば,パスカルが発明したものは歯車式で計算を行うものですが,マシンではないので計算器となります.

また,現在のコンピュータはデジタル式ですが,パスカルの計算器はアナログ式です.しかし,高精度の計算ができる可能性を示したものと見れば,発明の価値は多大なるものがあります.

コンピュータの構成

五大装置とハードウェア

コンピュータには,コンピュータの機械そのものであるハードウェアと,コンピュータ上で動くソフトウェアに大別されます.ゲーム機であれば,ゲーム機自体がハードウェア,販売されるゲームソフトがソフトウェアになります.なお,全体の構造や設計のことをアーキテクチャと言います.例えば,ハードウェアとソフトウェアの構造や設計のことは,コンピュータアーキテクチャと言います.

目的にあったプログラムを選び,コンピュータを実行させ,色々な用途に利用することをコンピュータの汎用性と言います.通常,お店でパソコンを買うときは,CPUやメモリ等の能力(スペック)が明示されています.一般的に,スペックが高いほど価格も高くなります.また,商品によっては,工場出荷時から既に必要なソフトウェアが入っています.このように,ハードウェアとソフトウェアをまとめて提供することをソフトウェア・バンドリングと言います.

コンピュータは大まかに言って,以下の装置の組み合わせでできています.

構成要素

制御装置は,主記憶装置からプログラムを構成している命令を1つずつ読みだし,それを解読して各部所に指示をだします.

演算装置は,小規模なデータを記憶する領域をもっており,これをレジスタと言います.レジスタには演算機能もあります.演算装置の主な役目は,これらの機能を使って制御装置の指示に基づき,各種の演算を実行することです.

記憶装置には,主記憶装置補助記憶装置(外部記憶装置)があります.これらはデータ等を記憶するものです.記憶装置には,多数の保存場所があり,これらには一連の番号(番地またはアドレス)が振られています.外から保存するデータやプログラムを保存場所のアドレスを指定して書き込み要求をされると,保存場所に保存し,アドレスを指定して読みだし要求をされると指定された場所の内容を外へ渡します.なお,コンピュータがデータを読み書きすることをI/Oと言います.

入力装置出力装置はコンピュータの外との接点となるもので,ユーザがデータを直接入力したり,要求したデータの内容を目に見える形で出力します.

制御装置・演算装置をまとめてCPU(中央演算処理装置)と言います.また,入力装置・出力装置・補助記憶装置をまとめて周辺装置と言います.

記憶装置には主記憶装置と言われるメモリと補助記憶装置があります.補助記憶装置の一例として,フロッピーディスクやCDがあります.ただし,新品のハードディスクをコンピュータに組み込んでも,すぐに使うことはできません.まず,「ハードディスクをどのように区画分けするか」(パーティション作成または物理フォーマット)と「区画分けした領域にデータを保存できるように必要な設定を行う」(フォーマットまたは論理フォーマット)作業が必要になります.さらに,ハードディスクに保存できる情報量には限りがあるので,足りなくなったら,別のハードディスクを買ってきて接続するか,不要なファイルを消すしかありません.

なお,ファイル自体の容量に加えて,「ファイルが存在することを示す」情報も記憶しないといけません.ファイルの数がたくさんあると,1つ1つは小さい容量でも,「ファイルが存在することを示す」ための容量は多くなります.

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Windows 95の後継バージョンであるWindows95 OSR2Windows 98,Windows MeではFAT16,FAT32という2種類の方式を利用できます.これは,データを記録するときのフォーマットの方法や管理方法の違いによって分かれます.また,Windows NT/2000/XP/Vistaでは,これらに加えてNTFSという管理方法も利用できます.

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CPUと,それに組み合わせられるメモリ,ディスク接続用のインタフェース,拡張スロット用のインタフェース等の機能を提供するLSIをチップセットと言います.このチップセットに加えて,CPUやメモリ,各種の拡張カードを組み合わせてマザーボードと言う基板に取り付けます.マザーボードにはハードディスクや周辺機器接続用のコネクタも装備されています.また,マザーボードにはBIOSと言うソフトウェアがROMに記録されて搭載されており,CPUや周辺機器の認識等の機能を受け持っています.

パソコン一式を買った後,新たなハードウェア(プリンタやスキャナ等の周辺機器)を追加(増設)したいときもあります.周辺機器を利用するときの注意点は,電源の入れ方です.通常,周辺機器の電源を入れた後にパソコンの電源を入れ,パソコンの電源を切った後に周辺機器の電源を切ります.最近では,起動しているパソコンに周辺機器をつなぐことで自動的に周辺機器を認識し使える状態にするプラグアンドプレイ(PnP)という機能があります.この場合,電源の入れ方にそこまで注意する必要はありません.

パソコンの部品は精密機械なので,静電気に弱いです.取り扱うときは,人体に蓄積されている静電気を逃がすために,事前に金属等に触れる必要があります.

ソフトウェア

ソフトウェアには,利用者の目的に応じた機能をもつ応用ソフトウェアと,コンピュータを動かすための基本的な機能をもつ基本ソフトウェアがあります.

基本ソフトウェアはOS(Operating System)とも言われます.OSには厳密には広義と狭義のものがありますが,ここではそこまでは触れません.OSは,ハードウェアの操作やプログラム・ファイルの管理を行う等,多くの機能を果たします.OSがなければ,買ってきたパソコンはただの箱に過ぎません.

ソフトウェアは,購入したパソコン一式に含まれていたとしても,ほとんどの場合は不足です(逆に,不要なソフトウェアが最初から入っていることも多いです).新しく買ってきたソフトウェアをパソコンに導入することをインストールと言います.削除する場合はアンインストールと言います.

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市販のソフトウェアのほとんどは,インストールを自動的に行うインストーラが付属しており,指示に従って,ソフトウェアをインストールする場所や,どの機能をインストールするか決めます.インストーラの作業は指定された場所に必要なファイルをコピーすることですが,その他にもOSのシステムファイルを調整することがあります.システムファイルを調整した場合,それを反映させるためには,多くの場合で再起動が必要です.既にインストールされているソフトウェアに対して,バージョンアップされた(機能の追加・強化や改善をしたもの)製品を上書きすることをアップデートと言います(アップデートに対して,全く何もない状態から製品をインストールすることを新規インストールと言う場合もあります).アップデート版の場合,新規インストールができない代わりに,値段が安くなります.

一般的に,インストール中は他のソフトウェアを起動しない方が良いとされています.特に,アップデートのインストールをするときに,(バージョンアップする前の)同一製品を起動してはいけません.インストーラでインストールしたソフトウェアをアンインストールしたい場合は,通常,アンインストール専用のソフトウェア(アンインストーラ)を使って行います(インストール時に付属してインストールされていることが多いです).システムファイルを調整するソフトウェアの場合,アンインストーラを使った方が安全です.手作業でもやろうと思えばできますが,下手にシステムファイルをいじると,コンピュータが正常に起動しなくなることもあります.インストールをしたファイルを全て削除することが必ずしも完全なアンインストールにはならないことに注意して下さい.

なお,パソコンの電源を入れると自動的にOSが起動する仕組みのことをブートと言います.また,リセットボタン等を押して再びブートすることをリブートと言います.

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Windowsは,それが起動すると自動的に特定のアプリケーションが起動するようになっています.これはスタートアップと言われ,自分で変更できます.また,CD-ROMを挿入すると自動的にプログラムが起動する仕組みをAutorunと言います.