一般教養

一般教養は多くの企業採用試験で出題されます.専門学校のゲーム制作学科でも,入学試験で基礎教養を試す問題が出題されることがあります.学校で真面目に勉強したかだけでなく,社会人になったとき,教養のなさを見せて恥ずかしい思いをしないようにするためと考えられます.例えば,専門学校の多くで「ビジネスマナー」に類する講義があります.卒業生が入社した企業で教養のなさをさらけだした結果,学校の信頼(人材の良さ)を傷つけないという目的もあると考えられます.業務知識を身につけることも大切ですが,一般教養がないと「本当に一人の人間として全うに育ったのか」と,品格に疑問をもたれる恐れがあります.

Topic

ある教員(国語の教員免許保持者)が話していたことです.担当していた学生はプログラミング能力が抜群で,その系統の職業・企業を志し,入社試験を受けました.その人は残念ながら不合格だったそうです.

どのようなルートか知りませんが,その教員が企業に,なぜ不合格になったか質問したそうです.企業側の回答は「プログラムの筆記試験は非の打ち所がなかった.しかし,漢字の書き取り等があまりにもできなさすぎた.」とのことです.

教員はこの話を紹介した後,こう言いました.「あれだけプログラミングができて良い待遇も見込めたのに,たかが漢字の部分だけで不合格になることもある.くだらないと思うかもしれないが,教養は大切なんだ.」

コミュニケーション

語彙・文法

最近は用件を電子メールで済ませることも多いですが,それによる弊害も指摘されています.仲間内では電子メールで年賀状を済ませても,会社の得意先・顧客相手まで同様にするのは考えものです.また,漢字変換ソフトに頼っていると,いつまで経っても誤字や表現の誤りに気づかないことがあります.

また,ことわざや慣用句,四字熟語は日本語の1つです.私も最初は,同じことを伝えるのに,なぜ,ことわざや慣用句をわざわざ覚えるのかと思いました.小学生の時,小学館の雑誌の付録(小冊子)で,その答えを見つけました.記憶がおぼろげですが,同じことを伝えるのにたくさんの言い方があることは,日本語の特徴であり,言語表現を豊かにすることで,コミュニケーションの潤滑油となる.からだそうです.

確かに,英語でも「さようなら」の言い方には,"Good bye","See you","So long"等,複数の言い方があり,それぞれニュアンスが少しずつ違います.日本語の理解が不十分なまま,他の言語を学んでも,ニュアンスの違いを十分に理解できないと私は考えます.大学入試では,下線部を正確に訳せば満点がとれます.しかし,実際に英語と日本語の書き換えをするとき,直訳では無味乾燥なものになりがちです.

Opinion

会社で顧客とうまく意思疎通をするときに,コミュニケーション力がないと話にならないとし,基礎技術はおろか,「話す」ことに偏重する傾向があります.現に,当時の知り合いだった人は,そういう考え方の持ち主でした.それだけならまだしも,人の言うことをほとんど聞いておらず,思ったことを良くも悪くも素直に言い過ぎて,粗野だと思いました.

さらに,その人は「読む」・「書く」ことにほとんど無頓着でした.実際,「初級シスアドの午後問題は文が長すぎて解く気がしない」(とても長文だとは思えません)とか「(業務等で使う知識は)実務だけで得られる.本で勉強するなんてナンセンス.」と言っていました.一番驚いたのは,「推敲」という言葉すら知らなかったことです.本人は軽い冗談のつもりで言ったのでしょうが,その人は既に社会人です.それにも関わらず,未だに書き言葉と話し言葉を同一視しています.

このようなタイプの人に共通しているのは,「人の話を落ち着いて(感情的にならずに)聞けない」,「場の雰囲気を読む気がない」,「論理的な思考がほとんどできず,思いついたままなことをべらべら話す.」という点です.

私とその人は仕事関係の付き合いではなかったので,その人の本心がでたとも考えられます.しかし,職場でも同じような気持ちで接していたら,個人的には一緒に仕事をしたいと思いません.「年齢は若いし,少人数のチームで仕事をしているので,今の内は良いだろう.しかし,チーム(プロジェクト)リーダーになったとき,同じ考え方のままだと,部下全員を思い通りに動かすことは非常に難しい.人の目線で考えることを意識していないからだ.」とは,同じ道の職業を35年以上全うした父のコメントです.

Point

私がウェブサイトの記述を見たり,人の書いた文章を読むときに,特に目につく勘違いをまとめました.

  • 「以外」と「意外」の使い分け

    誤:子供意外の訪問者が,以外と多かった.
    正:子供以外の訪問者が,意外と多かった.

  • 「確率」と「確立」の使い分け

    誤:確立で将来の事象を予測する考え方が確率された.
    正:確率で将来の事象を予測する考え方が確立された.

  • 数字の大小を示す表現

    これをおろそかにすると,プログラミングや流れ図の書き方において,ミスの危険性が高まると言っても過言ではありません.

    日本語での表現 8を含むかどうか 不等式での表現
    8より大きい含まないn>8
    8より小さい含まないn<8
    8を超える含まないn>8
    8未満含まないn<8
    8を超えない含むn≦8
    8以上含むn≧8
    8以下含むn≦8

この他,仮名遣いや敬語の使い方にも注意が必要です.特に,敬語では「先生がお召し上がりなさった」(正しくは「先生が召し上がった」)等の二重敬語や,尊敬語(相手の立場を上げる)と謙譲語(自分がへりくだる)のミスは大きな問題点です.間違っても,入社面接のときに「弊社を志望した理由は……」(正しくは「御社」;「弊社」は自分の所属している会社をへりくだらせる謙譲語的表現)と発言してはいけません.

ただし,話している途中に気づいて慌てて訂正するよりは,必要に応じて気づいたときに訂正する方が良いでしょう.いくら練り上げた文章でも,人前になれば緊張しますし,言い間違えも当然起こりえます.大事なのは,誠意を尽くすことです.

技術的な文章

Column

公的な文章(特に理系の学会論文)で,IT関連の報告書には,句読点として,や.が使われることがあります(この文章もそれに従っています).

英語で、と。に相当するものは,それぞれ , と . です.論文で英文を引用することがありますが,引用文と歩調を合わせる意味で,日本語の部分も,や.にしようという考え方です.なお,公文書では,と。の組み合わせが多いようです.

ただし,日常の電子メールや文章であれば,わざわざ矯正する必要はないと思います.

プレゼンテーション技法

プレゼンテーションとは

プレゼンテーションとは「限られた時間の中で,正確な情報を聞き手に伝え,判断や意志決定をしてもらうためのコミュニケーション技法.」と言えます.口で言うのは簡単でも実行するのは難しいため,色々な工夫が必要となります.本番の前に十分な準備が必要です.

また,プレゼンテーションですべきことは,話すだけではありません.場合によって,グラフを示したり,ジェスチャーを使うこともあります.言葉以外のコミュニケーションであるノンバーバルコミュニケーションもうまく活用しましょう.

プレゼンテーションを行うとき,注意すべき点をまとめました.

質疑応答

プレゼンテーションには質疑応答がつきものです.話し手が質問することを発問と言い,次の方法があります.

逆に,聞き手が質問をして,話し手が応答する必要もあります.

スライドの作成

プレゼンテーションでOHPを用いることがあります.1枚のシートで提示する図をいくつかの部分に分解し,順に提示することをオーバーレイ,1枚のシートに描いたいくつかの絵の内で,グループ化できるものを枠で囲むことをチャンキング,1枚のシートに記述した各項目の上に紙を貼り,めくれるようにすることをマスキングと言います.