情報倫理

関連法規

日本において,全ての制作物は著作権の保護を受けています.制作者が著作権を明示的に主張しているかどうかは無関係です.ただし,事実の伝達や,国民に広く周知されている事実に著作権はありません.大雑把に言えば,作ったものに対して,作った人の独自のアイデア・表現が含まれていると判断される場合は,著作権が発生します.

また,人の顔写真には肖像権が発生します.有名人の顔写真は,その知名度を活かして広告をすることで,消費者に大きなインパクトを与えることができます.これは,収益にも大きくつながり,乱用を許せば経済が歪みます.有名人でない人の写真でも,肖像権が発生します.有名人と違い,国民に広く周知されている情報ではありませんから,個人情報保護の上でも守られるべき権利です.

さらに,企業名や製品名には商標権が発生します.個人でソフトウェアを作るときに,ソフトウェアの名前を Microsoft Office としてはいけません.企業名や登録商標は知名度が高く,これらの乱用を許すと,経済行為の妨害になります.

いずれにおいても,特別の場合を除き,利用する場合は権利をもつ人の許可を得ることが必要です.無断でウェブサイトや日記に掲載すると,法律で罰せされる可能性があります.リンクがはられていなくても,ページをインターネット上にアップロードした時点で無断配布と見なされます.ただし,私的利用の範囲ではデータを無断で複製・コピーしても基本的には合法です.私的利用と見なされるのは,その個人とせいぜい1等身以内の家族に限定されます.いくら親しい友達で個人的に利用しても,血縁関係がない場合は私的利用と見なされない可能性が高いです.

Opinion

説教くさい文章を羅列しましたが,著作権法自体が完璧である保証もないため,実際には事例に応じて柔軟に解釈されるべきです.また,著作権の保護に走るばかり,利用者の多くに不利益を被らせる行動は糾弾されるべきです.

音楽関係の著作権を統括するJASRACでは,この話がよくでてきます.現在,JASRAC管轄下にある楽曲は,いかなる形式でも複製すれば著作権違反になります.CDで完全に複製したものだけでなく,楽譜を見てMIDIで打ち込んだだけでもアウトです.許可を得るためには,膨大なお金を払わなければなりません.企業ならともかく,個人にあのような金額を請求するのは法外だと私は考えます.そもそも,文化は模倣に始まり,そこから先は個々のオリジナリティを付加していきます.もし,模倣がMIDIの打ち込みに相当するならば,オリジナルの作曲は非常に困難になるでしょう.これは,文化の保護と成長を目的としている著作権法の意義に背きかねません.

また,複製行為自体を防止するためにCCCDなるものが作られましたが,これは屈指の問題製品です.複製するつもりがなくても,パソコンで再生すると専用の再生ソフトウェアが立ち上がったりします.そのソフトウェアは異常に動作が重く,音楽を聴きながら作業をすることすらおぼつきません.さらに,本来は再生できるはずだった単純なCDプレイヤーでも正常に再生できず,下手すれば機器が破損することもありました.その結果,抗議が殺到し,一般的なパソコン雑誌でもCCCDの複製防止機能を取り除く方法が紹介されたほどです.

確かに,著名な人が制作した曲がたらい回しにされれば,音楽業界は打撃を受けます.しかし,上に示すような独占行為に走り続けると,それはそれで,ユーザに愛想を尽かされ,結果として音楽業界も打撃を受けます.同人を始めとする個人間での複製やアレンジの交渉は,十分でない面があるとは言えども,遙かに小回りが効いています.

別の例では,UNISYS社がかつてGIF形式の画像ファイルについて,画像ファイルを作成するアルゴリズムに特許権を主張して,ユーザの反感を買ったことがあります.GIF形式の画像を使うことは許されるとありますが,特許権使用料を支払っていない者(個人・法人や営利・非営利を問わず)が作成したソフトウェアで生成されたGIFファイルは特許権の侵害し見なし,それらのソフトウェアで生成された画像を利用することも同罪と解釈されるような見解を示しました.特許権の使用量となると,個人で支払うのは無理に近いです.その結果,個人で画像関係のソフトウェアを制作していた人は,GIF形式での取り扱いをできないようにしたり,ソフトウェアの公開自体を取りやめた例もあります.

この頃,PNG形式の画像ファイルへの移動運動すら起きました.PNG形式はGIF形式と性質がよく似ていますが,特許を主張していません.容量は若干大きくなりますが,ブラウザも次々に対応していったため,リスキーなGIF形式ではなくPNG形式で代用する方も大勢いました.現在では,GIF形式の特許は無効になったらしいですが,失った信頼は簡単に修復できません.

これらの問題は,インターネットの爆発的普及に法律がほとんど追いついていない実態にも起因しています.インターネットは公共のものである以上,インターネット全体に大きな金銭的・利便性の損害を及ぼす行為は大きな反響を招きます.

個人情報保護と情報公開

情報の保護と公開はトレードオフの関係なので難しい面があります.大地震が発生したとき,優先的に助けるべき人がいますが,その人の個人情報が分からなければ連絡がとれません.しかし,有事の事態でもないのに,常時,個人情報を全て公開されては困ります.

現在,情報公開と声高に叫ばれているのは,閣僚や企業が一般人の見えないところで汚職をしているからです.しかし,全ての人間が犯罪をしないのは理想論に過ぎません.そこで,機密情報以外のもの(予算や収支報告)を公開し,第三者が監査(チェック)できる体制をつくる必要があります.

さて,インターネット上では,多くの場面で個人情報を入力します.必須入力でない部分はなるべく書かない方が,個人情報が漏洩したときに被害を少しでも軽減できます.会員制のサイトでは,個人を識別するためにユーザIDとパスワードを設定することがあります.パスワードは自分で決めますが,他人に推定されやすいものを使うと,第三者が勝手にそのIDを使うことができてしまいます.

悪いパスワードの具体的な基準はありませんが,あまりに短い文字列や,ユーザIDと同じ・逆転させたもの,生年月日や電話番号といった特定されやすい個人情報は危険と言えます.よって,めちゃくちゃな文字列が一番推定されにくいのですが,あまりにめちゃくちゃだと忘れてしまいます.ある程度覚えやすくて推定されにくいものにする必要があります.また,安心できるパスワードを設定しても,悪意のある攻撃者の手口によってばれることがあります.パスワードは定期的に変更した方が良いでしょう.パスワードをメモに書き残したままにして,他人に見られないようにしましょう.

なお,パスワードを管理する人は,パスワードをそのままの形で扱っているわけではありません.多くの場合は暗号化されており,一目では分からないようになっています.暗号化の方法全てをここで説明することはできませんが,n文字ずつずらすシーザー暗号は有名です.例えば, octos にn=1でシーザー暗号を適用すると, pdupt になります.

まんが喫茶やインターネットカフェは,店舗によって違いますが,セキュリティ管理の甘いところがあるので十分な注意が必要です.例えば,ブラウザで見たページの履歴や入力情報が全部残っている場合があります.これでは,いたずらして下さいと言っているようなものです.通常はパソコンを再起動すると,その情報は全て削除されますので,店をでる前に再起動をすることをおすすめします(普通は店員がやるべきことですが).また,インターネット銀行等,特に厳重な管理が必要なサービスは,このような場所からアクセスしないべきです.

ネチケット

コミュニケーション

まず,場の雰囲気を読んで下さい.最近はビデオチャット等,相手の表情を見ながら会話できるようになりましたが,基本的なインターネットでのコミュニケーションは文字だけです.フェイストゥフェイスのコミュニケーションでは,相手の話している内容以外にも表情や声のトーンで,相手がどのような気持ちなのか察することができます.しかし,文字によるコミュニケーションではそれらがほとんど伝わりません.「ばか」と言われたときに,本気で罵倒しているのか,軽い気持ちで言っているのか,文字だけで判断するのは困難です.長い文章ならば,前後の文脈からでも判断できますが,リアルタイムのおしゃべりでは反射神経的に逆上してしまう場合があります.

初対面の人と接するときは,まず,自分の自己紹介をしましょう.メールを送信するときはテキストメールにするべきです.よほどの事情がない限り,初対面の人に対してファイルのやり取りはしない方が良いでしょう.親しい間柄でも,添付ファイルの容量が大きくなりすぎないように注意しましょう.メールサーバによっては,指定の容量を超えたファイルは送信できないことがあります.また,カジュアルな形でも挨拶をすることは,文字情報だけの世界では大切です.

質問と応答

質問と応答が主体に行われる掲示板では,質問の書き方に注意して下さい.インターネットの長所は,自分で情報を検索できることです.何でもかんでも「教えて」という態度は不快感をもたれます.特に,回答者に対してお礼の一言もしないのは失礼です.また,質問の内容は明瞭にして下さい.できれば,自分で問題を解決しようとした試みの過程を書いて下さい.パソコンの環境(スペック・OS・ソフトウェアのバージョン等)も分かる限りで書いていないと,回答者が頭の中でシミュレーションできません.問題解決の試みが全くの見当外れでも構いません.自分で解決する努力をしているかどうかでも印象は大きく変わりますし,他の人の参考にもなります.企業のコールセンターと違って,お金をとっているわけではありません.「初心者だから」と主張するのも,不快感を抱かせる結果になることが多いです(初心者であることを盾にしていると思われる).

一方,応答する側もドライに「ググれ」(検索しろ)だけでは場の雰囲気がいっそう悪くなるだけです.お互いが気持ちよく利用できるように努力して下さい.

質問の対象によっては,特定の質問が頻繁にでてくることが考えられます.それに対して,あらかじめ予想して質問の答えを用意している場合があります.これをFAQと言います.質問をする前になるべく目を通しておきましょう.FAQに書いてあることを何度も質問されると回答する側はうんざりします.この場合,質問が無視されても仕方がありません.

場所によっては質疑応答の過去ログをとっています.質問と回答のデータを保存することで,質問者に対して役立てようとするものです.過去ログが膨大な量の場合はまだしも,一通り読み通せる場合は目を通し,既に書いてある質問と同じ質問をしないよう心がけましょう.同じ質問が続くと,過去の質問がどんどん流れて,見えなくなってしまう点も考慮する必要があります.

質問掲示板が分野ごとに分かれている場合,自分の質問がどの分野にあたるのかを意識して,場違いな質問をしないよう注意して下さい.

書き込み

掲示板等への書き込み内容は公序良俗に反すると痛い目に遭う恐れがあります.確かに,ガス抜きは必要ですが,実名をさらしてまで誹謗中傷するのは,現実世界での「いじめ」と変わりません.それどころか,個人情報を暴露していることにもなるので,代償は大きくなります.

画像や音声,映像を使うときは先ほどの権利に十分注意する必要があります.年齢制限のない場所におけるわいせつな画像の公開は法律にも触れてしまいます.それとは別に,議論が白熱しすぎると,揚げ足取りに終始したり,議論とは関係のない方向で罵倒が始まって,収拾がつかなくなります.管理人は適切な処置をすべきですが,管理人がそもそもそういう能力を持ち合わせていない場合,さっさとその場から退場することをお勧めします.

情報機器の利用

携帯電話もその1つですが,パソコンを使うと電磁波が発生します.これらは精密機械に悪影響を及ぼすため,病院・航空機内では使用が禁止されています.この場合,マナーモードではなく携帯電話の電源をオフにする必要があります.また,そのような場所でなくても,公共の場で迷惑がかかる行為は慎むべきです.携帯電話を使いながら自動車を運転するのは非常に危険な行為です.

また,個人情報が入った情報機器を盗難・紛失した場合は,直ちに警察に届け出をし,しかるべき処理を行う必要があります.携帯電話には個人情報がたくさん入っています.これを盗難された場合,なくした人自身は被害者ではなく,むしろ加害者扱いで見られてしまいます.個人情報が記憶されている媒体を持ち歩くのは極力避けましょう.やむを得ない状況で持ち歩く場合,携帯電話ならオールロックをかける等,盗難されても個人情報が漏洩しないように気をつける必要があります.個人情報は無形の貴重品です.

Column

会話や話題の対象を明確にする表記法があり,その1つが「>(会話の対象者)」・「<(発言が対象としている話題)」です.使用例を示します.

なるほど.>オクトス
そうですよね.<ネチケット

なお,会話の対象がその場にいる全員の場合は「>ALL」等と表記します.

ソフトウェアの利用

プログラム(ソフトウェア)を使用する際は,制作者との間に使用承諾契約が交わされることになります.これは企業の製品だけでなく,個人や非営利団体が製作したものでも同じです.

現在,ソフトウェアには以下のものがあります.

また,利用者が自由に改良したり,参考にして他のプログラムを制作できるように,ソースプログラムそのものを公開しているプログラムをオープンソースと言います.

Column

個人や非営利団体のソフトウェアを使用する場合も,市販のソフトウェアと同様に契約内容についてきちんと目を通しておく必要があります.さらに,個人で作っている場合は免責事項にも注意が必要です.市販のソフトウェアは高額な代金を払う代わりに,サポートや補償がきちんとしています.しかし,フリーソフトウェア等ではそこまでの体制をとっていないことが多いです(とる時間がないと言った方が良いでしょう).

そもそも,フリーソフトウェアは個人が趣味もしくは何らかの非営利目的で制作したものがほとんどです.商売を前提としていないので,サポート体制や補償まで完全に求めるのは酷です.逆に言うと,そういう規定がないからこそ,個人でも気軽にソフトウェアを公開できます.こういったソフトウェアの利点は,不具合が報告されるとすぐにバージョンアップしたり(人によって早さは違いますが,少なくとも市販製品よりは早いでしょう),質問の応答が丁寧で早かったりと小回りがきくことが挙げられます.シェアウェアであれば,本来それを市販製品とするならば,かなり高い利益が得られるものを,割安で提供していることもあります(その代わり完全なサポートをとる時間がないので,それは犠牲にしています).

余談ですが,同じレベルの不具合があったときでも,無料だと制作者宛に文句のメールがあまり来なくても,シェアウェアになると金をとったという理由で途端にクレームの嵐に巻き込まれることもあります.確かに,代金を払った分の対価は要求されますが,上記の利点を考えると,金をとったとらないだけでそこまで目つきを変えるのはいかがなものかと思います.

多くの場合,公開されているソフトウェアは容量削減のために圧縮(アーカイブ)されています.圧縮されているものはそのままダウンロードしても実行できません.専用のソフトを用いて解凍する必要があります.場合によっては,実行すると自分自身を自動で解凍してくれる自己解凍形式になっていることもあり,この場合に解凍ソフトは必要ありません.

コンピュータ犯罪

コンピュータウイルス

コンピュータ犯罪の代表例で,コンピュータの動作に異常を起こすことを目的として作られたプログラムです.人間社会のウイルスと違い,生物的に感染することはないので,人間に感染することはありません.しかし,それ以外は人間社会でのウイルスと同じ性質をもちます.

まず,悪意のある輩がプログラムやデータを書き換えてウイルスを埋め込みます.それが広まって,ある人が自分のコンピュータでそのプログラムを動作させると,コンピュータはウイルスに感染します.感染の仕方や経路は色々ありますが,あらゆる経路を通してウイルスは広まります.

ウイルスが広まりやすいのは,潜伏期間があるからです.感染してすぐに発病(異常動作)すれば,ウイルスにかかったことに気づかれ,対応されてしまうので,ウイルスが広まる前に駆除される可能性が高いでしょう.しかし,潜伏していれば,その間に感染したプログラムやデータを広げる時間ができます.

対策として,見知らぬ人からの電子メールに添付されているプログラムやデータを実行・閲覧しないことや,ウイルスを駆除するワクチンソフトをインストールすることがあげられます.メールを見ただけで感染するウイルスもありますので,注意が必要です.なお,ワクチンソフトをインストールすれば完璧ではありません.ワクチンソフトは,パターンファイル(ウイルスの特徴を示したファイル)の定義にしたがって,データを検査します.パターンファイルにない未知のウイルスは駆除することができません(疑うことはできますが).定期的にパターンファイルを最新のものにしないと効果は激減します.また,ワクチンソフトで駆除できても,場合によっては手遅れのことがあります.最悪の場合,OSの再インストールから始めるはめになります.残っているデータは全て感染している危険性があるため,削除します.

スパイウェア・色々な詐欺

アダルトサイトを見たときや,怪しいソフトウェアをダウンロードしたときに,スパイウェアが入ってくることもあります.ユーザに気づかれないように,パソコンに保存しているファイルの情報を盗んだり,打鍵したキーボードの履歴を盗んでいます(キーロガー).後者の場合,いくら安全なウェブサイトでも,パスワードをキーボードから入力していれば,あっさりと盗まれてしまいます.最近のワクチンソフトは,ウイルスだけではなく,スパイウェアを検知する機能も備えていることが多いです.

また,メールに記述されているURIが悪意あるページへのリンクに設定されている場合があります.さらに,ブラウザのアドレスバーは正しいURIを表示しているように見せかけて,実はそっくりの偽物サイトである場合,そこで安心して入力したIDやパスワードを丸ごともっていかれることもあります(フィッシング詐欺)

さらに,年齢指定のあるコンテンツでは,以下のような詐欺も考えられます.これは,JavaScriptで簡単に作れます.

最初の画面で年齢確認をしていますが,そこでOKを押したら契約が開始されるとはどこにも書いていません.仮に,ボタンが設置されているページに明記してあっても,これは消費者を惑わせる方法です.民法上,このような契約方法は無効であり,お金を支払う必要は一切ありません.金銭の授受を伴う契約は,客観的に見ても,消費者がきちんと契約内容を確認できる場合にしか発生しません.また,IPアドレスを取得することは簡単なことで,5分もあれば素人でも作れます.しかし,IPアドレスをとられても,そのアドレスで本人の氏名や住所を割りだすのは非常に困難です.

緊急時の対応

データのバックアップ

コンピュータ犯罪の影響を受けてしまったり,災害による停電,パソコンそのものや内部の部品の故障により,データが破損してしまうことがあります.最悪の場合,ハードディスクをパソコンが認識しなくなります.今までのデータが全て消えてしまう恐れもあります.

対策として,データのバックアップをとることがあげられます.これは,別の記憶媒体にデータを複写して残しておくことです.また,雷が近づいる場合は,できればパソコンの電源を切っておきましょう.

ハードディスク自体に損傷がなくても,作業中にシステムエラーが発生してリブートを余儀なくされることがあります.このとき,作業中のデータは全て失われるため,日頃からこまめに作業内容を保存することが大切です.

2000年問題(Y2K)

既に西暦2000年は過ぎていますが,2000年になる前に大問題が発生しました.プログラムによっては2000年になった後の日付の処理が異常を起こし,それらには原子力発電所や金融機関も関わっていたため,社会的な問題となりました.大急ぎで修正が行われた結果,一部の機関で影響があったものの,致命的な問題は発生しませんでした.

なぜ,このような問題が発生したのでしょうか.プログラムによっては年の管理を西暦の下2桁で行っていたからです.日付の比較では数字の大きい方が新しいとされます.しかし,1999年は99,2000年は00となるため,2000年の方が古い年になってしまうわけです.現在は,年を4桁で管理し直すことによって解決しています(もっとも,このままでは10000年になったときに同じことが発生しますが……).

情報社会の問題点

現代社会は情報があふれている情報洪水の時代です.パソコンの利用が当たり前になって,多くの問題点がでてきました.

コンピュータという機械との共生が,人間にとってより豊かで快適なものにするため,これらの諸問題が解決されなければいけません.それが安全で快適な情報社会につながります.また,コンピュータ科学を含めて,科学技術の限りない進歩への不安も論じられています.科学技術の事前評価としてのアセスメントが重要な時代になっています.

Point

情報機器を実地に使いこなすことが,情報機器への理解を深める情報リテラシの習得に重要です.パソコンの場合,主に以下のことが挙げられます.

  • カタログや説明書(マニュアル)をおおまかに読める基礎知識を得る.
  • 機器自体と,マウス・キーボード等の操作法を覚える.
  • ソフトウェアの使い方を身につける.
  • 接続する装置を含めてハードウェアへの理解を深める.
  • 情報保護やウイルス対策等のセキュリティについて知る.