集合と論理(高校数学A)

集合と要素の個数(高校数学A)

1桁の整数の集まりのように,含まれる「もの」がはっきりしているの集まりを集合と言い,集合に含まれる1つ1つの「もの」を要素(元)と言う.

aが集合Aの要素のとき,aは集合Aに属すると言い,記号でa∈Aと表す.aが集合Aの要素でないときは,aは集合Aに属さないと言い,記号で $a\notin A$ と表す.

集合の表し方には2つの方法がある.1つは集合に含まれる要素を列挙する方法で,要素の数が多い場合は … を使って省略する.もう1つは式を使う方法である.例として,正の整数かつ8の倍数である集合Aを表す.

  1. A={8,16,24,32,…}
  2. A={8n|nは正の整数}

2つの集合A,Bについて,Aのどの要素もBの要素であるとき,集合Aは集合Bの部分集合であり,記号でA⊂Bで表す.なお,任意の集合AについてA⊂Aである.また,A⊂BかつB⊂Aのとき,集合Aと集合Bは等しいと言い,記号でA=Bと表す.なお,A⊂BかつA≠Bのとき,集合Aは集合Bの真部分集合であると言う.

1つも要素をもたない集合を空集合と言い,記号でφと表す.任意の集合Aについてφ⊂Aである.

集合Aと集合Bに共通する要素全体の集合を,AとBの共通集合(積集合)と言い,記号でA∩Bと表す.A∩B=φのとき,AとBは互いに素であると言う.

少なくともどちらか一方に属する要素全体の集合をAとBの和集合と言い,記号でA∪Bと表す.

1つの集合Uを指定してUの要素や部分集合だけを考えるとき,Uを全体集合(普遍集合)と言う.全体集合Uの部分集合Aに対して,集合Aに属さないUの要素全体の集合を,Uに関するAの補集合と言い,記号でAと表す.

全体集合Uから集合Aを抜いた部分はAの補集合だが,同時にAの差集合でもあり,記号で表すとU-Aとなる.

集合の要素の個数が有限のものを有限集合,無限のものを無限集合と言う.集合Aが有限集合のとき,要素の個数をn(A)と表す.n(A)=aのとき,Aの部分集合は2aある.

2つの集合A,Bについて,Aの要素aと,Bの要素bの順序を考えた組(a,b)の全体が作る集合{(a,b)|a∈A,b∈B}をAとBの直積と言い,記号でA×Bと表す.一般に,有限集合A,Bについて,n(A×B)=n(A)n(B)である.

集合に関する公式(高校数学A)

交換法則(交換律)
A∩B=B∩A
A∪B=B∪A
結合法則(結合律)
(A∩B)∩C=A∩(B∩C)
(A∩B)∩C=A∩(B∩C)
吸収律
A∩(A∪B)=A
A∪(A∩B)=A
べき等律
A∩A=A
A∪A=A
分配法則(分配律)
A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)
A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)
対合律(復帰律)
$\overline{\overline{A}}=A$
相補律
A∪A=U
A∩A
A∪U=U
A∩U=A
A∪φ=A
A∩φ=φ
ド・モルガンの法則
A∩B=AB
A∪B=AB
要素の個数
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
n(A)=n(U)-n(A)

命題と証明(高校数学A)

一般に式や文章で表された事柄で,正しいか否かが明確に決まるものを命題と言う.例えば,「8+8=16である」は真(true)の命題,「8+8=0である」は偽(false)の命題である.一方,「この小説は面白い」は人によって意見が分かれるため命題ではない.真と偽を合わせて真理値と言う.命題が偽であることを証明するには,その命題を満たさないもの(反例)を1つ挙げれば良い.

「pならばqである」,例えば「n=8ならばn+8=16である」も命題である.pがn=8,qがn+8=16に相当し,pを命題の仮定,qを結論と言う.

命題が長い場合,命題Pや命題Qのように記号を割り振ることがあり,PやQを命題変数と言う.また,真を1,偽を0と表す.

命題p⇒qにおいて,全体集合をU,仮定pと結論qを満たすUの要素全体の集合をそれぞれP,Qとすると,次が成立する.

命題pの否定pと表す.「全ての」の否定は「任意の(ある)」,「任意の(ある)」の否定は「全ての」である.

命題p⇒qにおいて,q⇒pをpqqp対偶と言う.元の命題と対偶の命題の真偽は一致する.

命題p⇒qにおいて,qはpであるための必要条件であり,pはqであるための十分条件と言う.p⇔qのとき,q(p)はp(q)であるための必要十分条件と言う.

命題pが真であることを証明するために,命題pを真と仮定して矛盾を導き,命題pが真であるとする論法を背理法と言う.