AO入試の特徴

AO入試と公募制推薦は似ていますが,比較的早い時期に実施されます.また,特に現役生に対しては,公募制推薦より若干負担が大きいため,安易な気持ちで出願するとしっぺ返しがきます.また,契約に近い指定校推薦と違い,合格は保証されません.

学力だけではなく,コンテストの参加経験や資格等も評価の対象となります.何をアピールすれば良いか迷うかもしれませんが,それを自分で考えられるかもAO入試の狙いです.

現役生の場合,学力や課外活動,資格取得に対する評価は浪人生や社会人のそれよりも高くなるでしょう.浪人生や社会人の学校の成績や課外活動の内容は,卒業してから時間が経過しているために鮮度が落ちます.また,社会人であれば,その道の仕事をしていれば資格を取れるのは当然です.逆に,現役生がこれらのアピールをすらすらとできないならば準備不足です.

一方,浪人生や社会人に比べて,現役生はAO入試に費やせる時間に限りがあります.だからと言って,勉学や課外活動を犠牲にしてまでAO入試に時間を費やすのはお勧めしません.準備に時間がかかっても合格の保証はないため,AO入試で不合格だった場合は一般入試への準備が遅れます.

AO入試の攻略法

私の合格経験からAO入試の攻略法を考察します.ただし,私は通常より4年遅れの入学なので,現役生には参考にならないかもしれません.

書類審査

書類一覧

私の場合の提出書類を示します.

自己アピールの作成

私のアピールポイントを次に示します.

これらを全て書くと800字を軽く超えますが,提出資料と重複する部分は削れます.

次に,ストーリーを時系列順に作ります.「母を亡くして精神的に辛かったが,基本情報技術者とソフトウェア開発技術者に挑戦して合格した.これが努力の証.」としました.なお,病気を克服したとしても,病気であったことを証明するための診断書を添えることは難しいでしょう.個人情報保護法に触れる可能性があるからです.

書類はボールペンで書くことが原則です.鉛筆やシャープペン,修正液は使わないべきです.論文は十分に推敲して下さい.下書きは鉛筆で良いですが,強い意志を示すには,簡単には消せないボールペンが妥当です.下書きした字の上からボールペンで清書します.清書した後に下書きを消しゴムできれいに消します.原稿用紙に論文を書くならば,この作業は必須です.何字か正確に数えてても,句読点の影響で予期しないことが起こるかもしれません.例えば,1字で1行が終わってしまうことで,全体の行数が足りなくなるかもしれません.

書類の審査結果がでるまで時間がかかります.通知自体は郵送ならたいてい速達です.この期間は胃が痛い思いをするかもしれません.現役生なら,この期間にも学業や課外活動はあるはずですから,この時期を耐える精神力は必須です.

面接と口頭試問

2次試験は面接と口頭試問で,準備期間は1週間でした.口頭試問の内容は,理系学科なら「理系の基礎的な素養を確認する」程度しかパンフレットには書いていません.私の場合は三角比(高校数学I)からの出題でした.

私の場合,口頭試問の前に面接がありました.受験票に順番が明記されていなければ,ランダムと思った方が良いです.

面接

面接官2人に対し受験者1人でした.ここでは基本的な心得を書きます.

話してる人の顔と話し掛けてる人の顔を必ず見ましょう.視線をそらしたりうつむいてしまうと,人の話を聞いてないか自信がないと見なされます.緊張するのは誰でも同じです.

面接では質問や指摘をされますが,全てにうまく答えられると思ってはいけません.相手はその道のプロですから勝ちにいくのは無理な発想です.分からないことは素直にそう言いましょう.中途半端な回答をすると突っ込まれて苦しい展開になります.私の場合は「この学科は他大学に比べてソフトウェアの講義が充実している」と言ってしまい,「今の時代はハードウェアとソフトウェアは融合してるんですよ?」と突っ込まれました.ただし,こうなっても挽回するチャンスはあります.私は「それはよく知りませんでした.そのことを含めて大学でしっかり勉強したいと思います.」と切り返しました.

相手の質問はよく聴き,質問の意図を考えましょう.一方の面接官から「部活で作ったプログラムで一番自信があるのを教えて」と質問され,擬似3Dを使った迷路のことを言いました.すると,もう一方の面接官が「我々が聞きたいのはゲームの内容ではなく,例えば,データ構造やアルゴリズムの話なんです.迷路はどうやってデータにしていますか?」ときました.最初の面接官の質問が不親切に見えますが,市販されていないゲームのことを話しても無意味ですし,学科の勉強ともほぼ無関係です.私は「迷路は2次元配列を用意して,道がある場所は1,ない場所は0としています.さらに,外側の条件判定を簡略化するため,20×20のところを22×22にして,外枠は全て0としました.」と回答しました.ここで試されたことは,自分のものを他人に分かりやすく説明する能力です.

意地悪な質問に動揺してはいけません.私は志願理由に「将来深く研究したいと思えることを探したい」と書きましたが,ここに赤線がひかれたのでしょう.今,具体的には何に興味があるかと言われました.画像処理はかなりプログラミングをするということを中途半端に知っていて「この大学には画像処理の研究室があります.CGプログラミングに興味があります.」と付け焼き刃な回答になりました.すると「じゃあ専門学校行けば良いじゃん」ときました.この指摘への切り返しはできませんでした.ただし,これは面接に対する度胸を試しているだけでしょう.父による理想的な回答例は「画像処理を学問として知るために大学を選んだ」ですが,そこまで思いつけば苦労しません.

最後の意地悪な質問のせいで絶対落ちたと思いました.入学後,試験官に聞くと「落ちた気分になってもらうような質問をしてます.それで本当に不合格なら踏ん切りがつけられるし,合格したら儲けものですよ.」と仰っていました.

口頭試問

問題例として,log25が無理数であることを証明することを考えます.高校数学の範囲内で解くなら,背理法が最も容易です.これに気づくかが第1関門です.ただし,背理法自体は教科書での扱いが軽いため,うまく矛盾を導けるかが鍵です.無理数の対義語は有理数で,有理数ならば分数で表せます.これを知らないと証明の糸口がつかめません.教科書をばかにせず,用語の定義をきちんと理解しましょう.

筆記試験と決定的に違う点は,試験官に質問してヒントがもらえることです.あまりに質問が多いと減点ですが,ヒントの意味を理解して問題を解決する力も大切です.