作品について

作品の取り扱い

基本的に著作権を放棄しませんが,2次制作は歓迎します.事後でも報告していただけると喜びます.いずれのカテゴリも,上に掲載しているものほど新しい作品です.

詩歌

力士草子(りきしのそうし)

春はあけぼの 大晦日にマットに伏せる姿 カリフラワーのごとし
夏はこにしき 穏やかさと陽気の調和 いと親しみやすし
秋はたかみさかり 気合いを入れる姿 あふれるますらおぶり
冬は角番大関陣 何度も角番になる姿 ものぐるおしき

しおれたバラ

繊細すぎる神経 ガラスのような心 すぐに傷つく2つの爆弾
棘がささって血を流す ガラスが割れる 何度止血しても 何度修理しても すぐにまた傷つく
もう手先が疲れて 止血も修理も難儀
疼痛が異常に心地良い このまま壊れてしまえ しおれたバラには もう棘しかないのさ

最後の抵抗

現実というナイフが 私の目の前をちらつく 逃げ道はふさがれた
ならば最後の抵抗 気が済むまで 私を切り刻めば良い
私がこらえてきた涙と ズタズタにされた 心から滴る鮮血
耐えられるかな? この血の涙の叫びに

日々是睡眠

春眠不覚暁
夏眠不覚暁
秋眠不覚暁
冬眠尚不覚暁

いつかの晴れた日

どんよりとした空 凍えるような空気 お日様の顔も忘れてしまった
いつ入ったかも忘れた迷路 出口はまだ見えない
道しるべも明かりもない 泣き叫んでも反応がない
声がでない 涙も枯れた もうあきらめた
とにかく出口が見つかればとの思いで 感情を犠牲にして歩き続けた日々
歩くエネルギーも底が尽きてきた
このまま座り込んで眠りに落ちてしまうなら せめて最後ぐらいは微笑んでいたい

それぞれの秋

遙か昔の英語の授業のとき。
春はspring、夏はsummer、冬はwinterと教わった。
でも、秋はautumnfallの2つを覚えさせられた。
なぜ、秋だけ2つの単語があるのだろうか。

巷では、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋と、色々な秋が言われている。
春には花が咲き、夏は緑が生い茂る。冬は枯れてしまう。
もちろん、どれも季節感がでている。
しかし、秋の紅葉では、葉が1枚1枚、主張するかのように色づいている。

秋は自然も人間も多様な姿を見せる。
周りの色に負けないよう、流されないよう、自分らしい「秋」をだそう。

激励の言葉

――貴方はまさに努力の人でした。――

いくら努力していた人でも、一発勝負のときは負けることもある。

――君の力をそのままだせば良いんだ。――

なかば萎縮しながら受けていた授業。
日頃から萎縮していたのに、本番のときだけ、萎縮せずにいけるはずがない。

――まずは肩の力を抜いてリラックスすることから。――

ワンチャンス。しかも、人生初めての勝負。
それができたらどんな楽なことか。

――神様は知っているよ。――

神様も仏様も、結局は現実の力の差をひっくり返すような、
そんな不公平なことはしなかった。

そして、もう一度、掲示板を見てみた。やっぱり、自分の番号はなかった。

シャボン玉

雑貨屋でシャボン玉液を買った。家で吹いてみた。

風が音を立てた。それと一緒に、シャボン玉が大空へ舞う。
浮かぶ、浮かぶ、大空へ浮かぶ。

シャボン玉に色が現れた。薄い色水が姿を変えている。
まるで、シャボン玉は、色の精が集まり、膜を作って玉になったようだ。
浮かぶ、浮かぶ、大空へ浮かぶ。

でも、この美しいシャボン玉は空へむなしく散ってしまう。

一面のじゅうたん

ある土曜 目を覚ますと 僕は叫びたくなった
昨夜降りだしたものが まるで一面のじゅうたんのようだ
早速学校へ足を急がせた

積もっていたのは雪だ

二年生のとき見たことがある だから生まれて二度目かな
校庭には人が押し寄せていた かばんをおいて外へでた 雪合戦もした

そして月曜 雪はほとんど溶けていた ところどころ氷が張っているだけ
ああ 来年でも良いから また降ってこないかな